火災保険で屋根修理をする安心業者の見極め方

火災保険で屋根修理をする安心業者の見極め方お家の修繕

「火災保険を使い自己負担0で屋根修理を行いましょう!」突然訪問してきた業者にそう言われたら、あなたはどう思いますか?

えっ、ほんとにできるならぜひやりたい!でも、大丈夫かな?ひょっとしたらヤバい話では…

迷ったり怪しんだりするのは当然です。というより、ぜひ怪しんでいただきたい。

突然、飛び込み営業してくる業者は悪質業者の可能性があります。

でも、条件にさえ合えば「火災保険で100%合法的に屋根修理できる」のは事実です。

その方法を以下、まとめてみました。悪質業者の事例や対処法についても紹介していますので、これさえ読めば鬼に金棒。

火災保険で屋根修理ができる理由

一般的に持ち家がある方は「住宅火災保険」か「住宅総合保険」に加入されています。

しかし、その契約内容をしっかり把握している方は少なく、「火災保険」が火災だけでなく「自然災害全般」による損害をカバーすることを知らない方が多いのが現状です。

保険の内容が良くわからず、いざという時に使えなかったり何に使えるのか分からないまま、保険料を払い続けるのはもったいない。

保険は定期的に見直し現在どんな保険に加入しているのかしっかり把握することが重要です。

そのためにも、まずは「火災保険」のおさらいをしてみましょう。

火災保険とは

火災保険(かさいほけん)は損害保険の一つで、建物や建物内に収容された物品(住宅内の家財用具、工場などの設備や商品の在庫など)の火災や風水害による損害を補填する保険である。

(引用元:火災保険|Wikipedia

このように、火災保険は「火災や風水害」による損害を補填する保険ですので、「風水害」による屋根の損害修理には当然適用できます。

では、具体的にどんな損害原因を補償し、どんな特徴を持つ保険なのかを見てみましょう。

火災保険の補償内容

火災保険で補償されるのは、次のような原因による損害です。

火災
落雷
破裂・爆発
建物外部からの物体の落下・飛来・衝突または倒壊
漏水などによる水濡れ
給排水設備の事故や他人の戸室で生じた事故にともなう漏水などによる水濡れ(みずぬれ)損害*

*他人の戸室への損害賠償は対象となりません。

*給排水設備自体に生じた損害を除きます。

騒擾(そうじょう)・集団行動*1等に伴う暴力行為

*1群衆または多数の者の集団の行動によって数世帯以上またはこれに準ずる規模にわたり平穏が害される状態または被害を生ずる状態であって、暴動*2に至らないものをいいます。

*2群衆または多数の者の集団の行動によって、全国または一部の地区において著しく平穏が害され、治安維持上重大な事態と認められる状態をいいます。

風災*1・雹災(ひょうさい)
・雪災*2によるもので20万円以上の損害が出た場合

*1風災:台風、旋風、竜巻、暴風等をいい、洪水(こうずい)、高潮等を除きます。

*2雪災:豪雪、雪崩(なだれ)等をいい、融雪洪水を除きます。

盗難によって建物に生じた盗取(とうしゅ)・損傷・汚損
水災水災による損害で次のいずれかに該当する場合
(イ)建物に保険価額の30%以上の損害を受けた場合
(ロ)床上浸水による損害で損害の程度が建物の保険価額の15%以上30%未満の場合
(ハ)床上浸水による損害で損害の程度が建物の保険価額の15%未満の場合

【引用元:住宅金融支援機構特約火災保険 特約火災保険 補償内容|損保ジャパン日本興亜

上記のように火災保険で補償されるものは様々で、従来の火災保険はこれらの補償がすべてセットになった商品が主流でしたが、現在では、上記の1.2.3.7を基本として、その他は必要に応じて選べるような商品も増えています。

自動車保険と火災保険

火災保険は何度でも使えるし、何度使っても保険料が上がるということがありません。

自動車保険は利用者の状況により同じ補償内容でも、保険料に差がでる保険です。

自動車事故は不可避のものもありますが、契約者の運転技術や使用頻度などによって事故の確率が変わるため、自動車保険は使うと等級が下がって保険料が上がるのです。

しかし、自然災害は不可避で同じ場所に住んでいる限り、被害に遭う確率は変わりません。

そのため、火災保険は使っても保険料が上がらず、何度でも使えるようになっているのです

火災保険が適用される条件

火災保険が適用されるには、被害原因が事故または自然災害であることが条件です。

保険適用される家屋の損害原因には、主に次のようなものがあります。

風災

風災
突風、暴風、竜巻、疾風、強風、暴雨風等の風による被害のことを言います。

これらの風により、家の屋根や物干し屋根、窓、アンテナなどが破損した場合や、隣の家から屋根の一部が剥がれて瓦が割れてしまった場合などに風災被害と認められ、保険がおります。

火災保険で風災と認められる「強風」とは、厳密に言うと最大瞬間風速20m/秒の風。

台風の最大風速が17m/秒以上ですから、「そんな強い風、滅多に吹かない!」と思われるかもしれませんが、「最大風速」と「最大瞬間風速」は違います。

・最大風速⇒10分間平均風速の最大値
・最大瞬間風速⇒3秒間平均風速の最大値

「瞬間風速」は、10分間平均風速の1.5倍から3倍程度に達することがあるそうなので、毎年日本全国で「強風」が吹いていることと思われます。

雹災

雹災
雹(ひょう)は小さなものでも固いため、瓦を傷つけることがあります。

直径5cm以上の大きさになると落下速度が100km/hを超え、窓ガラスや屋根など家屋を破損させる威力があります。

雪災

雪災
屋根が雪の重みで壊れたり、アンテナや雨どい、太陽光パネルなどが大雪によって壊れた場合、火災保険が適用されます。

自宅の屋根に積もった雪が落ちて、隣家の屋根や窓を壊した場合にも、豪雪など自然災害が原因であれば責任を問われません。隣家の被害は隣家の火災保険から支払われます。

ただし、明らかに被害が予想されるのに雪かきをしなかった場合など、賠償責任が発生することもありえます。

その場合は「個人賠償責任保険」特約を付けていれば、賠償金が支払われます。

以上の各自然災害の補償対象には、一般的に車庫や物置も含まれますが、契約内容によっては除外されている場合もありますので、念のため申込書の控えや保険証書で確認しましょう。分らない場合は保険会社のカスタマーセンターに問い合わせてみてください。

☆市区町村が被災者に発行する罹災証明が保険申請に役立つことがありますので、広域災害の場合は取得しておくことをおすすめします。

損害を受けた日から3年以内に請求すること

時間が経過するほど事故と損害の因果関係を立証する材料が減りますから、保険法に基づき「損害を受けた日から3年以内」という請求期限が設けられています。

ただし、「3年以内に修理する」のではなく「3年以内に保険会社に申請する」ということです。

しかし、保険法とは別に各保険会社が「時効は2年」など請求期限を決めている場合がありますので、約款を開いて自分で確認するか契約している保険会社や代理店に、問い合わせたほうがいいでしょう。

既に修理工事をしてしまった損害についても、保険金を請求することはできます</span>が、修理工事を行う前後の写真や、工事業者の見積書、罹災証明書などの災害・事故を証明する書類などがないと、事故と損害の因果関係を証明するこが困難になりますのでご注意を。

・損害額が免責金額(自己負担額)以上であること

保険金の支払い方式には、「小損額免責」と言って一定金額以下の損害について補償対象とならず、被保険者が自己負担する方式があります。

免責金額を設定して少額損害における調査や保険金支払いなどの手間を省き、被保険者が支払う保険料を抑えることが目的とされています。

この方式は、以下の2つに大別されます。

・20万円フランチャイズ方式
従来「風災・雪災・雹(ひょう)災」に対する支払い方式として一般的だったもので、損害額が20万円以上だと保険金額を限度に全額補償されますが、20万円未満の場合は1円も支払われないという契約です。

例えば、

・19万円の損害が発生した場合→支払い保険金0円
・21万円の損害が発生した場合→支払い保険金21万円

2010年1月の火災保険の大改定がある前まではこれが一般的でしたので、それ以前に長期契約を結んだ方は、今も20万円フランチャイズ方式になっていると思われます。

・免責方式(エクセス方式/ディダクティブル方式)
近年、フランチャイズ方式に代わり一般的になっているのが免責金額を自分で決められる「免責方式」で、東京海上日動や三井住友海上の住宅火災保険では、現在こちらが使われています。

「フランチャイズ方式」との大きな違いは以下の2つです。

免責金額を自分で決められる

保険会社によって異なりますが「0円」「3万円」「5万円」「10万円」などの中から、自分で免責金額を選べます。

免責金額を高く設定するほど保険料は安くなり、逆に免責金額を低くすると保険料が高くなるという仕組みです。

・保険金から免責金額を引かれる
保険金から免責金額が引かれた金額が支払われます。

具体的には以下のとおり(免責金額を5万円に設定した場合)です。

・3万円の損害が発生した場合→支払い保険金0円
・10万円の損害が発生した場合→支払い保険金5万円

免責金額の設定で保険料を抑えることができますが、もしもの時に自己負担額が発生するリスクは高まります。

火災保険が不適用になる場合の理由

保険会社が火災保険不適用と判断する場合、以下のような理由があります。

経年劣化(老朽化)による損害である

火災保険は予想できない突発的な事故・災害を補償する保険なので、時間経過で自然発生した劣化は想定範囲内として補償の対象外になります。

保険会社に提出する「保険金請求書」には、いつの災害で受けた被害なのかを明記するようになっており、別途、損害の発生状況に関する説明書を求められる場合もあります。

一般の方に、損害が経年劣化なのか自然災害によるものか判断するのは難しく、保険会社社員やFPに「経年劣化による破損を災害による損害として申請するのは虚偽の申請で、保険金詐欺に該当するおそれがありますよ」などと言われたら、申請にしり込みしてしまう場合が多いでしょう。

しかし、保険が適用されるべき損害を申請しなければ、何のために保険料を払っているかわかりません。

台風や大雪など、毎年日本全国で自然災害は起きています。

過去3年以内(契約によっては2年以内)に自宅周辺で自然災害の記憶があれば、ぜひ専門業者に調査を依頼することをおすすめします。

例えば、「雨漏り」は「経年劣化」と判断されることが多いですが、「大雪によって屋根が破損し雨漏りの原因になった」というようなことが証明できれば保険が適用されるのです。

修理ではなくリフォームにあたる

「火災保険を使って無料でリフォームができますよ」という業者がありますが、実は、火災保険で「修理」はできても「リフォーム」はできません。

修理とリフォームは別ものです。両者の具体的な違いを見てみましょう。

・リフォーム
きれいにする、使いやすくする、デザイン性を高めるなどして、原状より良くすること。
(例)「お風呂をもっと広くしたい」「トイレに手すりをつけたい」「壁紙が汚れたから綺麗にしたい」

・修理
壊れたものを直して原状復帰させること。
(例)「塀に車がぶつかって開いた穴をふさぐ」「野球のボールが当たって割れた窓ガラスを交換する」

では、屋根にあてはめて考えてみましょう。

・リフォーム
屋根の瓦が数枚落ちてしまった。この際、スレート屋根に換えよう。

・修理
屋根の瓦が数枚落ちてしまった。落ちた枚数だけ元と同じ瓦を置こう。

このように、リフォームと修理は似て非なるもの。

火災保険はあくまで、原状復帰にかかる費用を補償するものなのです。

ただし、損害が大きく一部を修理するよりも、全体を新品にした方が費用が安くなる場合、実質リフォームになっても保険上は原状復帰として全額保険金が下りる場合もあります。

また、おりた保険金に、自己負担分を追加してリフォームすることも可能です。

故意・過失による損害である

例えば「わざと壊した」「雪かき中に誤って自分で壊した」「豪雪地帯にも関わらず雪下ろしを怠った」などの場合です。

保険会社の査定に納得がいかないときは

保険金・共済金支払査定結果などに対しての苦情・再確認などは、以下の第三者機関で受け付けています。

・火災保険の場合
そんぽADRセンター:0570-022-808
どこの保険会社の場合でも受け付けています。

・火災共済などの共済の場合
日本共済協会共済相談所:03-5368-5757

火災保険を使った屋根修理の流れ

火災保険を使って屋根修理をする方法には、大きく分けて以下の3種類があります。

  • 屋根の調査報告書・修理見積書の作成から修理工事まで一貫して請け負う「専門業者」に依頼する方法
  • 屋根の調査報告書と修理見積書を作成して申請をサポートする「代行業者」に依頼する方法
  • 業者に頼らず保険申請する方法

「専門業者」「代行業者」とは、火災保険が適用されるかどうかの調査を専門に行っている業者で、建築と保険双方の知識を持っており、素人目では判断が難しい損害原因も突き止めて、火災保険申請のため適切な調査報告書と修理見積書を作成し、保険申請のサポートを行います。

この記事では、修理工事まで一貫して請け負う業者を「専門業者」、修理工事は別の業者を紹介している業者を「代行業者」として区別しています。

では、上記3つの屋根修理の流れを簡単に説明してみましょう。

「専門業者」に依頼する方法

1家主であるあなたが屋根の損傷を発見します。
下から損傷の一部が見えても、屋根に上って詳細を確認することは素人には危険なので控えましょう。
2あなたが専門業者を探し、調査を依頼します。
3専門業者は屋根へ上り調査と写真撮影をして、屋根調査報告書と修理見積書を書きます。
ここで「保険が適用されそうだ」と専門業者が判断したら、保険会社へ連絡しましょう。
4あなたが保険会社のカスタマーセンターか担当者に事故発生を電話連絡します。
証券番号、契約者、記名被保険者がわかっているとスムーズに手続きが進みます。
専門業者が作成した調査報告書で損害状況を把握し「何月何日の台風のとき、瓦が落ちたのだと思います」のように、被災日と原因をはっきり証言することがポイントです。
5保険会社から送られてきた申請用紙にあなたが記入します。
申請をするのは火災保険の契約者本人でなければなりません。業者が申請書を代筆すると、あなたが虚偽申請をしたとみなされかねないのでご注意を。
6記入済み申請用紙と専門業者が作成した屋根調査報告書及び修理見積書をあなたが保険会社に送付します。
7保険会社に手配された損害保険登録鑑定人が来て、屋根調査を行います。
8鑑定人の調査書をもとに、保険会社の査定担当者が損害額の認定を行います。
9保険金があなたの口座に振り込まれます。
まれに自分の口座に振り込ませようとする悪質業者がいますが、絶対に応じてはいけません。
10専門業者が支払われた保険金の範囲内で修理工事を行います。

■メリット
保険会社への最初の電話内容で担当者の心証が変わります。

専門業者の調査報告書があれば、被害状況や被災日などしっかり把握してから電話できるので、保険適用の可否や保険金額の査定に有利に働きます。

損害保険登録鑑定人は第三者ですが、鑑定料を払うのは保険会社なので、中には残念ながら保険会社に有利な(つまり支払い金額が少なくなるような)鑑定に傾きがちな鑑定人もいます(全員ではありません)。

専門業者の調査報告書と修理見積書は素人である家主の利益を守るのに役立ちます。

調査から修理まで同じ業者が行うので、別の業者を探す手間が省けます。調査・申請用書類作成の手数料もかからない場合がほとんどです。

■デメリット
悪質な専門業者にあたるとトラブルが生じます。

「代行業者」に依頼する方法

1家主であるあなたが屋根の損傷を発見します。
下から損傷の一部が見えても、屋根に上って詳細を確認することは素人には危険なので控えましょう。
2あなたが代行業者を探し、調査を依頼します。
3代行業者は屋根へ上り調査と写真撮影をして、屋根調査報告書と修理見積書を書きます。
ここで「保険が適用されそうだ」と代行業者が判断したら、保険会社へ連絡しましょう。
4あなたが保険会社のカスタマーセンターか担当者に事故発生を電話連絡します。
証券番号、契約者、記名被保険者がわかっているとスムーズに手続きが進みます
代行業者が作成した調査報告書で損害状況を把握し「何月何日の台風のとき、
瓦が落ちたのだと思います」のように、被災日と原因をはっきり証言することがポイントです。
5保険会社から送られてきた申請用紙にあなたが記入します。
申請をするのは火災保険の契約者本人でなければなりません。
代行業者が申請書を代筆すると、「知らなかった」と主張してもあなたが虚偽申請をしたとみなされかねないので、ご注意ください。
6記入済み申請用紙と代行業者が作成した屋根調査報告書及び修理見積書をあなたが保険会社に送付します。
7保険会社に手配された損害保険登録鑑定人が来て、屋根調査を行います。
8鑑定人の調査書をもとに、保険会社の査定担当者が損害額の認定を行います。
9保険金があなたの口座に振り込まれます。
まれに自分の口座に振り込ませようとする悪質業者がいますが、絶対に応じてはいけません。
10あなたが自分で探した業者か、代行業者が紹介する修理業者に見積を依頼します。
ほとんどの場合代行業者が関連の修理業者を強力に推してきますので、
自分で選んだ修理業者に依頼したい場合は契約前にしっかり確認しておかないとトラブルになる可能性があります。
11契約書を交わし修理工事が行われます。

■メリット
保険会社への最初の電話内容で担当者の心証が変わります。

代行業者の調査報告書があれば、被害状況や被災日などしっかり把握してから電話できるので、保険適用の可否や保険金額の査定に有利に働きます。

損害保険登録鑑定人は第三者ですが、鑑定料を払うのは保険会社なので、中には残念ながら保険会社に有利な(つまり支払い金額が少なくなるような)鑑定に傾きがちな鑑定人もいます(全員ではありません)。

代行業者の調査報告書と修理見積書は素人である家主の利益を守るのに役立ちます。

■デメリット
悪質な代行業者にあたるとトラブルが生じます。

修理見積書は修理業者の利益の他に代行業者の利益も上乗せされるので、割高になります。

業者に頼らず保険申請する方法

1家主であるあなたが屋根の損傷を発見します。
下から損傷の一部が見えても、屋根に上って詳細を確認することは素人には危険なので控えましょう。
2あなたが保険会社のカスタマーセンターか担当者に事故発生を電話連絡します。
証券番号、契約者、記名被保険者がわかっているとスムーズに手続きが進みます。
わかる範囲で損害状況を説明し、考えられる被災時期と原因を伝えます。
3保険会社から送られてきた申請用紙にあなたが記入して送り返します。
4保険会社に手配された損害保険登録鑑定人が来て、屋根調査を行います。
5鑑定人の調査書をもとに、保険会社の査定担当者が損害額の認定を行います。
6保険金があなたの口座に振り込まれます。
7あなたが修理業者を探し見積を依頼します。
8契約書を交わし修理工事が行われます。

■メリット
悪質な業者にあたるリスクが減ります。

■デメリット
保険会社への最初の電話内容で担当者の心証が変わります。屋根の損害は素人が自分の目で詳細を確認することができないので、うまく状況説明ができず査定に不利に傾く可能性があります。

損害保険登録鑑定人は第三者ですが、鑑定料を払うのは保険会社なので、中には残念ながら保険会社に有利な(つまり支払い金額が少なくなるような)鑑定に傾きがちな鑑定人もいます(全員ではありません)。

自分で損害を確認できない家主は、鑑定結果に異議を唱えることができません。

悪質業者にご注意を!

悪質業者にご注意を!

ここまででご説明したように、条件さえ満たせば火災保険を使って屋根修理することは100%合法です。

そしてその際保険と建築双方の知識を持つ業者に依頼するメリットは大きいです。

それでも、「悪質業者にひっかかたらどうしよう…?」と不安を感じる方もいるでしょう。

しかし、どの業界でも同じで、悪質業者は確かに存在しますが良心的な業者もたくさんいるのです。

悪質業者を恐れせっかく保険料を払っている火災保険を有効利用しないのはもったいない。

「悪」は恐れるのではなく適切に対処すればいいのです。以下、国民生活センターに寄せられた悪質業者の事例と、悪質業者への対処法をご紹介します。

事例

【事例1】なじみの担当者を信用して修理内容も金額も分からないまま契約したが、解約料として保険金の50%を請求された

昨年、以前家の工事を依頼した修理業者の担当者が「勤め先が変わった」と言って訪ねてきた。

その後、担当者が無断で自宅の屋根に登って写真を撮り、「風害で屋根瓦が壊れている。

火災保険金 を使えば、保険金の範囲内で修理するので自己負担はない。

保険金の申請は当社が行う」と言って、 契約書を渡された。書面には修理内容、金額の記載がなく、同時に受け取った調査報告書と見積書 にも修理期間や方法が具体的に書かれていなかったが、なじみの担当者なら信用できると思い契約 した。

担当者の指示どおりに保険会社に保険金を請求したところ、保険会社の調査員が来て「損傷は風 害ではなく雪害によるものだ。補償範囲内なので保険金を支払う」と言われ、後日振り込まれた。

その後連絡もなく、修理も行われずに1か月が過ぎた頃、申請代行業者から突然連絡があり、「保険金全額をすぐに支払うように」と指示された。

そのような説明を聞いていないと言うと「解約するなら解約料として保険金の50%を支払え」と言われた。支払わなければならないのか。

(2012年7月受付 契約者:60歳代 無職 男性 岐阜県)

【事例2】保険金で修理できると勧誘され契約したが、契約書面を渡されず、クーリング・オフに も応じない

昨年の冬、雪で屋根や壁が壊れた。修理を考えていたところ、申請代行業者から電話があり、「無 料で見積もる」と言われたので自宅に来てもらった。

申請代行業者から保険証書を見せるよう言わ れ、そのまま渡したところ「屋根と壁は雪害による損傷なので保険金が出る。その保険金を修理費用に充てればいい」と言われた。

翌週、申請代行業者が見積書(修理費 650 万円)と同意書を持ってきた。保険金で修理ができるならと思い、同意書に署名・押印したが、控えも渡されず、そのまま回収されてしまった。

数日後、申請代行業者の指示どおりに保険金を請求したところ、保険金がおりたので申請代行業 者に連絡したが工事を任せていいのか不安になったため、解約を申し出たら「クーリング・オフは できない。解約するなら受け取った保険金の 30%を払ってもらう。それができなければ裁判する」 と言われた。

契約内容の分かる書面が手元になく、クーリング・オフについて書かれていたかも覚 えていない。どうすればいいか。

(2012年9月受付/契約者:60歳代 自営・自由業 女性 北海道)

【事例3】受け取った保険金が見積額より少なく、解約すると言ったら見積調査料を請求された

自宅に訪問した申請代行業者から「外壁を火災保険金で工事しないか」と勧められた。実際に外 壁と物置が雪でへこんでいたので、契約することにした。

申請代行業者が作った見積書には300万円と書かれていた。こんな高い金額になるとは思えなかったが、後日、保険会社から保険金87万円が支払われた。

しかし、わざと高い見積額を出したのではないかと不安になったので、申請代行業者に工事を頼まないと言ったら、見積調査費として受け取った保険金の30%を支払うよう言われた。

見積調査費を取られるとは聞いていない。支払わなければならないか。

(2012年9月受付/契約者:40歳代 家事従事者 女性 北海道)

【引用:独立法人国民生活センター

悪質業者から身を守るには

業者の説明を鵜呑みにせず、必要のない勧誘はきっぱりと断る。

特定商取引法では法定書面(契約書)を交付することが定められていますので、契約書を交わさず屋根を調査しようとする業者は悪質業者の可能性があります。

悪質業者は「あなたの屋根の写真(動画)です」と別の家のものを見せたり、場合によっては屋根に上ったときハンマーで瓦を割り、意図的によくない状況を作り出すことがありますから、業者の話を鵜呑みにしてはいけません。

契約書を交わす前に「修理は保険金の範囲に収まるか」「保険金の範囲にとどまらない修理が発生した場合の負担はどうなるか」「解約したい場合の対応」等、納得いくまでとことん質問してください。

その上で、必要のない勧誘はきっぱり断ることが肝心です。

契約している保険の内容を自分の目で確認したうえで、事実に基づいて保険金を請求する。

保険について業者の説明を聞くだけでなく、自分がどのような保険契約を締結しているか、どのような手続きが必要なのかを自分でも保険約款や保険証書を読んで確認しましょう。

保険事故に該当しないにも関わらず、保険事故を装って保険金を請求すると保険会社等から契約を解除されるのみならず、刑法上の詐欺や民法上の不法行為にあたる可能性もありますから、うその理由で保険金請求の申請を勧める業者の勧誘に応じてはいけません。

しかし、保険事故が少ない方が保険会社の利益になるのも事実です。

保険会社の説明にも頼り切らず、自然災害の心当たりがあれば堂々とその旨保険の担当者に伝えましょう。

複数の修理業者から見積もりを取り、複数の専門家の意見を聞いた上で慎重に判断する

訪問セールスで契約を急がされたりしても、その場での工事の契約は絶対にしてはいけません。

屋根工事は明確に金額が決まっているわけではないのでいくつかの見積書を比較して本当に必要な工事内容・適正価格を判断することが必要です。

材料・工期・保証なども詳細にチェックしわからないところは納得いくまで質問します。

詳細な見積書を渡すことを拒んだり、質問に答えたがらない業者と契約してはいけません。

できたら打ち合わせの記録も残すとより安心です。

見積書を見ても内容がよくわからない場合は、公益財団法人 住宅リフォーム・紛争処理支援センターの電話相談窓口「住まいるダイヤル」 (0570-016-100 受付時間:10:00~17:00(土、日、祝、休日を除く))に連絡しましょう。

リフォーム工事の見積もりに関する質問や相談を受けつけています。

また、実際の見積書をFAXや郵送で送れば、その内容についてチェックをし、見積もりの項目・形式や見積金額の妥当性などについてアドバイスが受けられます。

修理の着工前に代金を全額前払いすることは避ける

修理の着工前に代金を全額前払いさせ、工事を行わずに逃げたり工事後に不良箇所があっても、修理に応じなかったりする悪質業者が存在します。代金の全額前払いは絶対に避けましょう。

訪問販売や電話勧誘販売で契約した場合には、クーリング・オフできることを心得る

訪問販売でのリフォーム工事契約は、契約日から8日以内であれば「クーリング・オフ」で解約可能です。

クーリング・オフの場合、無条件解除となるため、解約料等はかかりません。

また期間が過ぎても悪質な場合は契約を取り消せる可能性がありますので、業者から解約時に保険金の数十%という料金を請求されてもすぐに払わず消費生活センターに相談しましょう。

トラブルにあったら、最寄りの消費生活センター等に相談する

おかしいと思ったらすぐ、最寄りの消費生活センターもしくは消費者ホットライン(0570-064-370)に相談しましょう。

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