自然災害に対し事前の準備や、知識を頭に入れておくことは大切です。
不幸にして自然災害の被害にあってしまった…そんな時、保険はあなたの人生にとって、家族にとって、大きな助けとなってくれるかもしれません。
ここでは、自然災害時の保険、補償について、詳しくご説明いたします。
保険の内容について、解りやすく簡潔にまとめてみました。
自然災害とは?
自然環境の急激な変化や、異常な自然現象により引き起こされます。
天災とも言われており、その変化によって人間の社会的活動に、被害が生じる現象を自然災害と言います。
自然災害の種類と過去の災害
国の定義では、大きく分けて2種類あります。
1.大気によって生じる「気象災害」
2.地球内部のものに起因する<地震・火山災害」
となっております。
関東大震災(1923年9月1日)
マグニチュード7.9
我が国の歴史上、最も多くの犠牲者を出した自然災害です。
地震そのものの規模として最大級とは言えませんが、人口密度の高い地域と、火災により、日本災害史上最大の被害となっております。
死者・行方不明者の合計は、約10万5千人と言われております。
明治三陸地震津波 1896年6月15日
マグニチュード8.2~8.5。岩手県上閉伊郡釜石町(現在の釜石市)の東方沖を震源として、起こった巨大地震です。
特徴は津波の大きさで、本州における観測史上最高の遡上高である
海抜38.2mを記録しております。遡上高(ソジョウコウ)とは、陸へ上がった津波が到達した標高をいいます。
海抜とは海面を0mとした場合の、陸地の標高です。
死者・行方不明者の合計は約22,000人と言われております。
東日本大震災 2011年(平成23年)3月11日
マグニチュード9.0 日本の観測史上最大規模の地震
遡上高40.1mにも上る巨大な津波が発生し、東北地方と関東地方の太平洋沿岸部に、壊滅的な被害が及びました。
この地震により福島第一原子力発電所事故も起こりました。
死者・行方不明者の合計は20,629人となっております。
記憶に新しい大災害です。
阪神・淡路大震災 1995年(平成7年)1月17日
マグニチュード7.3
兵庫県南部を中心に大きな被害と、発生当時戦後最多となる死者を出した災害です。
様々な整備体制により1960年以降、自然災害による死者、行方不明者は著しく減少しました。
しかし、阪神・淡路大震災では戦後それまでで最大の、死者・行方不明者数となりました。
被害の特徴として、都市で起きた直下型地震による災害です。
1982年以前に建てられたビル、マンション、病院、鉄道など広範囲にわたって倒壊、全半壊がみられました。
死者6,434名・行方不明者 : 3名。
今後予測される災害
日本の周辺は、北米プレート、フィリピン海プレート、太平洋プレート、ユーラシアプレートの4 つのプレートが、せめぎ合っています。
内陸部では多数の活断層が分布しており、世界でも有数の地震国です。
また、日本の海岸総延長は約35,000km であり国土面積当たりの海岸線延長は他国と比較しても、数倍~数十倍となっております。
その為、日本は高波及び津波の被害も受けやすいです。
そして、日本の国土は南北に細長く、その中央部には脊梁山脈があります。
平野は国土の約3 割もありません。
その為、急勾配な河川も多く、降雨は山から海へと一気に流下します。
毎年のように水害や土砂災害が発生しております。
さらに、太平洋で発生する台風は、日本付近を通過する事が多く、我が国は台風の常襲地帯となっております。
以上のように、日本は地震、津波、風水害など、自然災害を非常に受けやすい国です。
起こりやすい、予測されやすい災害を「知る」というよりも…。
いつ起こりえるか解らない災害に対してどのような準備が必要なのか災害後どうすれば、補償は?
そこが重要となってきます。
役に立つ!!自然災害保険「火災保険と火災共済」の知識
まず、自然災害に対応している保険は2つあります。
「火災保険」「火災共済」の、2つとなっております。
火災保険を耳にする事は多いと思いますが、火災共済となると「?」と思う方もいるかもしれません。
農家さんや地方のかたは良く聞く名称だと思います。
災害に対し、日本にはいくつかの共済組織があります。
それらの共済が提供しているサービスを、火災共済といいます。
保障の対象となる災害も保険と同じであり、被害を受けたときに、補償を受け取ることが出来るのも同じです。
では違いは何なのでしょうか。
運営主体の違い
火災保険→民間の損害保険会社が提供しています。
(利益を求める・営利団体)
火災共済→生協が提供し、
集まった掛け金の余剰金等が還元されます。
(営利を目的としない・非営利団体)
(全労済、県民共済、コープ共済、JA共済があります)
契約の違い
火災保険は契約者と保険会社が1対1で契約を結びます。
契約内容に基づき、損害保会社が契約者に保険を提供します。
火災共済は運営主体が中心となり、加入者をまとめているという形なので、加入者みんなで契約を共有しているような形になります。
契約内容の違い
火災保険は1対1で契約を結ぶ事からも、例えば「風災・ひょう災・雪災」・「水災」の、契約から「水災」だけを外すなど、不要な保証内容を細かくカスタマイズ出来ます。
火災共済は、「風災・ひょう災・雪災」・「水災」を、「風水害」として大きなひとくくりにしております。
皆で商品を共有しているため、不要な補償を抜いて、安くする事は出来ません。
カスタマイズ性は保険の方が圧倒的に優れています。
掛け金(保険料)の違い
下記は火災保険と共済保険の、掛け金や、補償についての違い等、解り易い表記もあり参考になると思います。
補償内容の違い
火災保険だと災害の種類に関係なく基本的に、支払われる保険金額は同じです。
火災保険で1,000万円の保険に入っていれば、風災や雪害の損害であっても同額の保険がおります。
火災共済であれば補償額に差がでます。
例を挙げると火災で3,000万円の補償だとしても風水害では5%の150万円という場合もあります。
共済は掛け金で安くとも受けとる額に大きな違いがあります。
地震保険について
地震保険とは、火災保険では対象外となっている、地震、噴火、津波を原因とする建物や家財への損害を補償するための損害保険です。
地震は広範囲にわたり災害が生じる、という特殊性があります。
民間保険会社では対応できない程の甚大な被害もある為、保険責任を政府が再保険しているのです。
地震保険は、民間の保険でありながら、地震災害規模の大きさに応じ、国でも補償責任を分担している保険制度と言えます。
その点では心強いといえます。
地震保険は法律により、どこも同じ額に決められています。
しかし、地震保険が補償対象としている建物は、戸建て住宅やマンションなどの居住用建物であり、事業用の建物は対象外となっております。
実際にもらえる保険金の額は、損害保険会社で建物や家財の損害状況を確認し、損害の程度に応じて・全損・半損・一部損の、3区分に該当する場合に保険金が支払われます。
全 損 → 保険金額の100% (時価を限度とします。)
半 損 → 保険金額の50% (時価の50%に相当する額を限度とします。)
一部損 → 保険金額の5% (時価の5%に相当する額を限度とします。)
加えると
・一緒に加入している火災保険の保険金額の30%~50%まで
・かつ建物5000万円まで、家財1000万円までです。
例=火災保険の保険金額
{建物:3000万円 ・家財:1,000万円の場合}
建物:900~1500万円 ←(3000万円の30%~50%の金額 )
・全 損 → 全額(900~1500万円)
・半 損 → 半額(450~750万円)
・一部損 → 5%(45~75万円)
家財:300~500万円 ←(1000万円の30%~50%の金額 )
・全 損 → 全額(300~500万円)
・半 損 → 半額(150~250万円)
・一部損 → 5%(15~25万円)
となっております。
地震保険に入るには?
まず、大切なポイントとして、火災保険に入っていなければ、地震保険に入る事は出来ません。
火災保険単独では入れず、必ずセットで入らなければいけません。
「え、では火災共済では地震保険に入れないの…!?」
はい!入れません。その為、共済は、全労済に、
「自然災害保障(地震を含む)付き火災共済」というものがあります。
「地震保険」ではないので、地震保険よりも掛け金は安いです。
しかし、地震保険が火災保険金額の50%までかけられるのに対し、最高17%程と、かなり低い額にとどまってしまいます。
火災共済は地震対策において政府と共同ではなく、運営主体独自で地震による給付金を支払いしています。
最近は、火災共済の自然災害補償内容が、少しずつ変わってきております。
しかし、火災保険よりも明らかに補償は少ないです。
有名な某共済でも、自然災害補償は保険金額の30%までの共済金となっております。
まとめ
火災だけの補償であれば、掛け金の安い火災共済を選ぶ事もありですが、地震を含め、住まいの総合的な補償と考えて下さい。
家の耐久性、立地条件、環境等、一概にどちらが良い、とは言えません。
しかし、火災保険の方が企業努力のサービスを含め、補償の多さが優れているといえます。
さらに言うと、大きな災害により家を大掛かりに修復するとなれば、共済だけはかなり負担が大きく、復旧すら困難もありえます。
いざ!という時の安心感があるのは火災保険といえます。
掛け金等、総合的に判断し考慮してみて下さい。
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